专利摘要:
イソプロパノールおよび2−ブタノールからなる群から選択されたアルカノール(I)を、プロパンおよびn−ブタンからなる群から選択された相応するアルカン(II)から、次の工程:A)アルカン(II)を含有する使用ガス流aを準備し;B)アルカン(II)を含有する使用ガス流aを脱水素帯域中に供給し、アルカン(II)を脱水素に掛け、アルケン(III)に変え、この場合には、アルケン(III)、未反応のアルカン(II)、場合により高沸点物、水蒸気、水素および低沸点物を含有する生成物ガス流bが得られ;C)生成物ガス流bを少なくとも圧縮し、場合により生成物ガス流bを水相c1とアルケン(III)とアルカン(II)と、場合によっては層c2を含有する高沸点物と水素および低沸点物を含有する気相c3とに分離し;D)生成物ガス流b、またはアルケン(III)およびアルカン(II)を含有する相c2を、エステル形成帯域中で3個以上のC原子を有するアルカン酸と反応させ、この場合には、アルカン酸の相応するアルキルエステル(V)および未反応のアルカン(II)を含有する生成物混合物dが得られ;E)生成物混合物dからアルカン(II)を含有するガス流e1を分離し、このガス流e1を場合により脱水素帯域中に返送し、アルキルエステル(V)を含有する生成物混合物e2を取得し;F)アルキルエステル(V)を含有する生成物混合物e2を、エステル分解帯域中で水と反応させ、アルカノール(I)およびアルカン酸(IV)を含有する生成物混合物fに変え;G)生成物混合物fから、アルカノール(I)とアルカン酸(IV)とを分離し、アルカン酸を場合によりエステル形成帯域中に返送することにより製造する方法。
公开号:JP2011506385A
申请号:JP2010537418
申请日:2008-12-09
公开日:2011-03-03
发明作者:ゲレオン;アルテンホフ アンスガー;ローデ ヴォルフガング;デーゲン ゲオルク;クローネ スヴェン;ホルトマン トーマス;シュミット マルクス;ビュルクレ ヨヘン
申请人:ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピアBasf Se;
IPC主号:C07C27-02
专利说明:

[0001] 本発明は、イソプロパノールをプロパンから製造し、および2−ブタノールをブタンから製造する方法に関する。]
[0002] アルコールへのアルケンの水和は、十分に公知であり、大工業的に操業されている。2工程の水和は、工業的に実施されており、この場合アルケンは、硫酸と反応され、アルキルスルフェートに変わり、このアルキルスルフェートは、第2の工程で水を用いてアルコールと酸とに分解される。この方法の場合、アルケンをアルケン粗製混合物、例えばアルケンと相応するアルカンと他の副成分とからなる混合物の形で使用することができることは、好ましい。高度に腐蝕性の媒体、付加的に精製工程を必要としうる硫黄含有臭気形成物質での生成物の汚染、および反応せずに反応後に排出される、混合物の不活性アルカン含量の損失は、不利である。更に、アルコールへのアルキルスルフェートの加水分解後に、生じる希釈された硫酸がその再使用前にエステル形成工程で濃縮されなければならないことは、不利である。]
[0003] それと共に、オレフィンをカルボン酸でエステル形成させること、および引続き形成されるアルキルエステルを酸の再取得下で相応するアルコールにエステル分解することは、公知である。即ち、米国特許第4384148号明細書には、エテンと酢酸とをオートクレーブ中で反応させてエチルアセテートに変えることが記載されている。引続き、蒸留により分離されたエチルアセテートを水でモル比1:5でオートクレーブ中で加水分解することは、エチルアセテート、エタノールおよびジエチルエーテルを含有する混合物を供給する。英国特許第2238539号明細書には、1−ブテンをトリフルオロ酢酸との反応によって強酸のイオン交換体樹脂の存在で2−ブチルトリフルオロアセテートに変え、引続きこのエステルを2−ブタノールに加水分解することにより、1−ブテンを2工程で水和することが開示されている。]
[0004] 更に、工業的にアルケンの直接の1工程での水和は、不均一担体上での強酸の触媒、例えばイオン交換体、ゼオライト、ヘテロポリ酸および鉱酸で実施される。直接水和のための方法は、気相中、液相中または2段階で実施されることができる。1工程の方法での欠点は、殊に低い変換率および使用されたアルケンの純度に対する高い要件にある。例えば、プロピレンは、ポリマーグレードプロピレンとして使用されなければならない。]
[0005] 英国特許第2147290号明細書には、イソプロパノール、2−ブタノールおよびメチル−第三ブチルエーテルを、プロパン、n−ブタンおよびイソブタンを含有するLPGガス混合物から製造する方法が開示されている。このガス混合物は、プロペン、n−ブテンおよびイソブテンを含有する混合物に脱水素され、引続きエーテル化帯域を通過し、このエーテル化帯域中でイソブテンは、メタノールでエーテル化され、メチル−第三ブチルエーテルに変わる。選択された条件下で本質的にメタノールと反応しないプロペンおよびn−ブテンは、同時に水で水和され、イソプロパノールまたは2−ブタノールに変わる。]
[0006] 米国特許第2004/0225165号明細書Aには、3個以上のC原子を有するアルコールを相応するアルカンから製造する方法が開示されており、この場合プロパンまたは長鎖状アルカンを含有する流れは、相応するオレフィンを含有する中間生成物流に変換され、この中間生成物流は、直接的または間接的な水和によって相応するアルコールを含有する生成物流に変換される。この米国特許明細書は、プロペンを濃硫酸で硫酸エステルの中間体の形成下に2工程で水和し、引続きこの硫酸エステルを加水分解してアルコールに変えることを間接的なプロセスと呼んでいる。それと共に、直接的な水和の種々の方法が記載されている。]
[0007] 米国特許第4484013号明細書の記載から、イソプロパノールおよび第三ブタノールを製造する方法が公知であり、この場合プロパンおよびイソブタンからなる装入ガス流は、脱水素帯域中に供給され、プロペン、イソブテン、ならびに未反応のプロパンおよびイソブタンを含有する生成物ガス混合物に非酸化的に、即ち空気または酸素の不在下で脱水素される。脱水素の生成物ガス流から、最初に低沸点物(水素)が蒸留により分離され、引続きプロパンが蒸留により分離され、この場合このプロパンは、脱水素帯域中に返送される。本質的にプロペン、イソブテンおよびイソブタンからなる残留するガス流は、水和帯域中に供給され、そこでプロペンおよびイソブテンは、酸性のイオン交換体樹脂で直接的にイソプロパノールおよび第三ブタノールに水和される。この残留するガス流は、一面で脱水素帯域中に返送されるイソブタン流と、他面水和工程前にプロパンの分離に返送される、プロパンおよびプロペンを含有する流れとに分離される。従って、この方法は、水和前に未反応のプロパンが分離され、水和が本質的にC3−オレフィンおよびC4−オレフィンからなる使用流を用いて実施されることによって特徴付けられる。]
[0008] 本発明の課題は、公知技術水準の欠点を有しない、イソプロパノールおよび2−ブタノールを製造するための経済的な方法を提供することである。]
[0009] この課題は、イソプロパノールおよび2−ブタノールからなる群から選択されたアルカノール(I)を、プロパンおよびn−ブタンからなる群から選択された相応するアルカン(II)から、次の工程:
A)アルカン(II)を含有する装入ガス流aを準備し;
B)アルカン(II)を含有する装入ガス流aを脱水素帯域中に供給し、アルカン(II)を脱水素に掛け、アルケン(III)に変え、この場合には、アルケン(III)、未反応のアルカン(II)、場合により高沸点物、水蒸気、水素および低沸点物を含有する生成物ガス流bが得られ;
C)生成物ガス流bを少なくとも圧縮し、場合により生成物ガス流bを水相c1と、アルケン(III)、アルカン(II)および場合によっては高沸点物を含有する相c2と、水素および低沸点物を含有する気相c3とに分離し;
D)生成物ガス流b、またはアルケン(III)およびアルカン(II)を含有する相c2を、エステル形成帯域中で3個以上のC原子を有するアルカン酸と反応させ、この場合には、アルカン酸(IV)の相応するアルキルエステル(V)および未反応のアルカン(II)を含有する生成物混合物dが得られ;
E)生成物混合物dからアルカン(II)を含有するガス流e1を分離し、このガス流e1を場合により脱水素帯域中に返送し、アルキルエステル(V)を含有する生成物混合物e2を取得し;
F)アルキルエステルを含有する生成物混合物e2を、エステル分解帯域中で水と反応させ、アルカノール(I)およびアルカン酸(IV)を含有する生成物混合物fに変え;
G)生成物混合物fから、アルカノール(I)とアルカン酸(IV)とを分離し、アルカン酸を場合によりエステル形成帯域中に返送することにより製造する方法によって解決される。]
[0010] 本発明による方法は、強い耐蝕性の硫酸の使用を省略する。それにも拘わらず、エステル形成工程D)において、アルケン(III)だけを極めて希釈された形で他の成分(未反応のアルカン、不活性ガス)と共に含有する装入ガス流の使用の際も高い空時収量および変換率が達成されることを示す。従って、エステル形成工程の実施前に、未反応の副成分の分離を省略することができる。]
[0011] 第1の処理工程A)において、プロパンおよびブタンから選択されたアルカン(II)を含有する装入ガス流aが準備される。この装入ガス流aは、プロパンの場合には、一般にプロパン少なくとも80体積%、特にプロパン90体積%を含有する。それと共に、この装入ガス流aは、一般になおブタン(n−ブタン、イソブタン)、ブテン、エタンおよびエテンを含有する。]
[0012] プロパン含有装入ガス流の典型的な組成は、ドイツ連邦共和国特許出願公開第10246119号明細書およびドイツ連邦共和国特許出願公開第10245585号明細書中に開示されている。通常、プロパン含有装入ガス流aは、液化石油ガス(LPG)から取得される。]
[0013] アルカン(II)としてのn−ブタンの場合には、装入ガス流は、一般にn−ブタン少なくとも80体積%、特にn−ブタン90体積%を含有する。それと共に、この装入ガス流は、一般になおエタン、エテン、プロパン、プロペン、イソブタン、ブテンおよびC5−炭化水素を含有する。]
[0014] 処理工程(B)において、アルカン(II)を含有する装入ガス流は、脱水素帯域中に供給され、一般に接触脱水素に掛けられる。この場合、アルカンは、脱水素反応器中で脱水素活性触媒で部分的に脱水素され、アルケンに変わる。それと共に、水素および微少量の低沸点物ならびに高沸点物が生じる。プロペンよりも低温で存在するもの、または1−ブテン沸騰性炭化水素は、低沸点物と呼ばれ、プロペンよりも高温で存在するもの、または2−ブテン沸騰性炭化水素は、高沸点物と呼ばれる。即ち、例えばプロパンの脱水素の場合には、低沸点物としてメタン、エタンおよびエテンが生じ、高沸点物としてC4+炭化水素(n−ブタン、イソブタン、ブテン、ブタジエン)が生じる。n−ブタンの脱水素の場合には、例えば低沸点物としてメタン、エタンおよびエテン、プロパンおよびプロペンが生じ、高沸点物としてC5+炭化水素が生じる。更に、脱水素が酸素含有ガスの存在で実施される場合には、一般に炭素酸化物(CO、CO2)、殊にCO2、ならびに水蒸気および場合により微少量の不活性ガスが脱水素の生成物ガス混合物中で生じる。脱水素の生成物ガス流は、一般に水蒸気を含有し、この水蒸気は、既に脱水素ガス混合物に添加されおよび/または酸素の存在での脱水素の場合(酸化的または非酸化的)には、脱水素で形成される。不活性ガス(窒素)は、酸素の存在での脱水素の実施の際に、純粋な酸素が供給されない限り、供給された酸素含有ガス流と共に脱水素帯域中に導入される。それと共に、反応ガス混合物中には、未反応のアルカン(プロパンまたはn−ブタン)が存在する。]
[0015] アルカンの脱水素は、原則的に公知技術水準から公知の全てのタイプの反応器中で実施されてよい。本発明によれば、適したタイプの反応器の比較的詳細な記載は、"Catalytica(登録商標) Studies Division, Oxidative Dehydrogenetion and Alternative Dehydrogenation Processe" (Study Number 4192OD, 1993, 430 Ferguson Drive, Mountaion Veiw, California, 94043-5272, USA)にも含まれる。]
[0016] 脱水素は、酸化的脱水素または非酸化的脱水素として実施されることができる。脱水素は、等温的または断熱的に実施されることができる。脱水素は、触媒により固定床反応器、移動床反応器または渦動床反応器中で実施されることができる。]
[0017] 非酸化的な触媒によるアルカンの脱水素は、有利に自熱的に実施される。そのために、脱水素の反応ガス混合物には、少なくとも1つの反応帯域内で付加的に酸素が混入され、反応ガス混合物中に含有された水素および/または炭化水素は、少なくとも部分的に燃焼され、それによって必要とされる脱水素熱の少なくとも一部分は、少なくとも1つの反応帯域内で直接に反応ガス混合物中で発生される。]
[0018] 酸化的運転形式と比較して非酸化的運転形式の特徴は、水素の少なくとも中間体の形成にあり、この中間体は、脱水素の生成物ガス中の水素の存在で沈殿する。酸化物の脱水素の場合、脱水素の生成物ガス中には、遊離水素は、存在しない。]
[0019] 適した反応器の形は、固定床管状反応器または管束型反応器である。前記反応器の場合、触媒(脱水素触媒および場合により特殊な酸化触媒)は、固定床として反応管中または反応管の管束中に存在する。通常の反応管の内径は、約10〜15cmである。典型的な脱水素管束型反応器は、約300〜1000個の反応管を含む。反応管の内部の温度は、通常、300〜1200℃の範囲内、特に500〜1000℃の範囲内で変動する。作業圧力は、通常、僅かな水蒸気希釈度を使用した際に0.5〜8バール、しばしば1〜2バールであるが、しかし、Phillips Petroleum Co.社のプロパンまたはブタンの脱水素のために、高い水蒸気希釈度を使用した場合(所謂、"スチームアクティブリフォーミング法(STAR-Prozess)"またはリンデ法(Linde-Verfahren)に相当する)も3〜8バールである。典型的な触媒負荷量(GHSV)は、使用された炭化水素に対して500〜2000h-1である。触媒の幾何学的形状は、例えば球状またはシリンダー状(中空または中実)であることができる。多数の固定床管状反応器または管束型反応器が並存して運転されてもよく、前記反応器の中で少なくとも1つは、交替で再生の状態にある。]
[0020] 非酸化的な触媒による自熱的な脱水素は、スナムプロゲッティ/ヤルシンテズ−FBD法(Snamprogetti/Yarsintez-FBD-Prozess)に相応して、不均一に触媒作用により渦動床中で実施されてもよい。この場合、好ましくは、2つの渦動床は、並存して運転され、これらの渦動床の中の1つは、一般に再生の状態で存在する。作業圧力は、典型的には1〜2バールであり、脱水素温度は、一般に550〜600℃である。この場合、脱水素に必要とされる熱は、脱水素触媒を反応温度に予熱することにより、反応系中に導入されることができる。酸素を含有する共供給原料を混入することにより、予熱を省略することができ、必要とされる熱は、直接に反応器系中で水素および/または炭化水素を酸素の存在で燃焼させることによって発生される。場合によっては、さらに水素を含有する共供給原料を混入することができる。]
[0021] 非酸化的な触媒による自熱的脱水素は、有利にホルデン型反応器(Hordenreaktor)中で実施される。このホルデン型反応器は、1つ以上の重なり合って続く触媒床を備えている。触媒床の数は、1〜20、好ましくは1〜6、有利に1〜4、殊に1〜3であることができる。触媒床は、特に半径方向または軸方向に反応ガスによって貫流される。一般に、このようなホルデン型反応器は、触媒固定床を用いて運転される。一般に、このようなホルデン型反応器は、触媒固定床を用いて運転される。シャフト炉反応器は、1つの区間(eine Horde)に相当する。個々のシャフト炉反応器中での脱水素の実施は、1つの実施態様に相当する。更に、好ましい実施態様において、脱水素は、3個の触媒床を有するホルデン型反応器中で実施される。]
[0022] 一般に、反応ガス混合物に添加される酸素含有ガスの量は、反応ガス混合物中に存在する水素および場合により反応ガス混合物中に存在する炭化水素および/またはコークスの形で存在する炭素を燃焼させることによって、アルカン(プロパンまたはn−ブタン)の脱水素に必要とされる熱量が発生されるように選択される。一般に、プロパンの全体量に対して供給される全部の酸素量は、0.001〜0.5モル/モル、有利に0.005〜0.25モル/モル、特に有利に0.05〜0.25モル/モルである。酸素は、純粋な酸素として、または不活性ガスを含有する酸素含有ガスとして使用されることができる。後処理の際(下記参照)の高いプロパン損失およびプロペン損失を回避させるために、使用された酸素含有ガスの酸素含量が高く、少なくとも50体積%、有利に少なくとも80体積%、特に有利に少なくとも90体積%であることは、好ましい。酸素含有ガスが約99体積%のO2含量を有する工業的に純粋な酸素であることは、特に好ましい。それと共に、空気を酸素含有ガスとして供給する1つの運転形式は、可能である。]
[0023] 熱発生時に燃焼された水素は、触媒によるアルカン脱水素の際に形成された水素ならびに場合により反応ガス混合物に水素含有ガスとして付加的に添加された水素である。有利には、反応ガス混合物中のモル比H2/O2が酸素の供給直後に1〜10モル/モル、有利に2〜5モル/モルであるように大量に水素は、添加されるべきである。これは、多工程反応器の際に酸素含有ガスおよび場合により水素含有ガスの全ての中間供給に言えることである。]
[0024] 水素の燃焼は、触媒により行なわれる。使用される脱水素触媒は、一般に炭化水素の燃焼および酸素での水素の燃焼を促進し、したがって原則的に前記触媒とは異なる特殊な酸化触媒を必要としない。1つの実施態様において、選択的に炭化水素の存在下での酸素に対する水素の燃焼を促進する1つ以上の酸化触媒存在下で作業が行なわれる。それによって、CO、CO2および水への酸素を用いる前記炭化水素の燃焼は、二次的にのみ進行する。特に、脱水素触媒および酸化触媒は、異なる反応帯域中で存在する。]
[0025] 多工程の反応実施の場合、酸化触媒は、1つの反応帯域中にのみ存在することができるか、多数の反応帯域中に存在することができるか、または全ての反応帯域中に存在することができる。]
[0026] 好ましくは、選択的に水素の酸化を促進する触媒は、反応器の別の位置、殊に酸素含有ガスのための供給位置に近接した位置よりも高い酸素分圧が支配している位置に配置されている。酸素含有ガスおよび/または水素含有ガスは、反応器の1つの位置または多数の位置で供給することができる。]
[0027] 本発明による方法の1つの実施態様において、酸素含有ガスおよび水素含有ガスの中間供給は、ホルデン型反応器の全ての区間の前方で行なわれる。更に、本発明による方法の実施態様において、酸素含有ガスおよび水素含有ガスの供給は、第1の区間を除いてそれぞれの区間の前方で行なわれる。1つの実施態様において、全ての供給位置の後方で、脱水素触媒からなる層の後で1つの特殊な酸化触媒からなる層が存在している。更に、1つの実施態様において、特殊な酸化触媒は存在していない。脱水素温度は、一般に400〜1100℃であり、ホルデン型反応器の最後の触媒床中の圧力は、一般に0.2〜5バール、有利に1〜3バールである。負荷量(GHSV=gasous hourly space velocityガスの時間空間速度)は、一般に500〜2000h-1であり、また、高負荷運転形式の場合には、100000h-1まで、有利に4000〜16000h-1である。]
[0028] 選択的に水素の燃焼を促進する好ましい触媒は、ゲルマニウム、錫、鉛、砒素、アンチモンまたはビスマスの酸化物および/または燐酸塩からなる群から選択された酸化物および/または燐酸塩を含有する。更に、水素の燃焼を促進する好ましい触媒は、VIII副族および/またはI副族の貴金属を含有する。]
[0029] 使用される脱水素触媒は、一般に1つの担体および1つの活性物質を有する。この場合、担体は、一般に熱安定性酸化物または混合酸化物からなる。好ましくは、脱水素触媒は、二酸化ジルコニウム、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、二酸化珪素、二酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化ランタン、酸化セリウムおよびこれらの混合物からなる群から選択された金属酸化物を担体として含有する。前記混合物は、物理的混合物であってもよいし、化学的混合相、例えば酸化マグネシウム混合酸化物または亜鉛アルミニウムオキシド混合酸化物であってもよい。好ましい担体は、二酸化ジルコニウムおよび/または二酸化珪素であり、特に有利には、二酸化ジルコニウムと二酸化珪素とからなる混合物である。]
[0030] 脱水素触媒の活性物質は、一般にVIII副族の1つ以上の元素、有利に白金および/またはパラジウム、特に有利に白金を含有する。更に、脱水素触媒は、I主族および/またはII主族の1つ以上の元素、有利にカリウムおよび/またはセシウムを有することができる。更に、脱水素触媒は、ランタニドおよびアクチニドを含めてIII副族の1つ以上の元素、有利にランタンおよび/またはセリウムを含有することができる。最後に、脱水素触媒は、III主族および/またはIV主族の1つ以上の元素、有利に硼素、ガリウム、珪素、ゲルマニウム、錫および鉛からなる群からの1つ以上の元素、特に有利に錫を有することができる。]
[0031] 1つの好ましい実施態様において、脱水素触媒は、ランタニドおよびアクチニドを含めてVIII副族の少なくとも1つの元素、I主族および/またはII主族の少なくとも1つの元素、III主族および/またはIV主族の少なくとも1つの元素およびIII副族の少なくとも1つの元素を含有する。]
[0032] 例えば、本発明によれば、WO 99/46039、米国特許第4788371号明細書、欧州特許出願公開第705136号明細書、WO 99/29420、米国特許第5220091号明細書、米国特許第5430220号明細書、米国特許第5877369号明細書、欧州特許出願公開第0117146号明細書、ドイツ連邦共和国特許出願公開第19937106号明細書、ドイツ連邦共和国特許出願公開第19937105号明細書およびドイツ連邦共和国特許出願公開第19937107号明細書中に開示されている全ての脱水素触媒を使用することができる。自熱的なプロパン脱水素の前記変法のために特に好ましい触媒は、ドイツ連邦共和国特許出願公開第19937107号明細書の実施例1、2、3および4に記載された触媒である。]
[0033] 自熱的なアルカン脱水素は、有利に水蒸気の存在下で実施される。添加される水蒸気は、熱媒体として使用され、触媒上での有機堆積物のガス化を支持し、それによって触媒のコークス化に抵抗し、触媒の耐用時間が上昇される。この場合、この有機堆積物は、一酸化炭素、二酸化炭素および場合により水に変換される。]
[0034] 脱水素触媒は、自体公知の方法で再生させることができる。即ち、反応混合物には、水蒸気を添加することができるか、または時々、酸素含有ガスを高められた温度で触媒スタックを介して導通させることができ、分離された炭素を焼却することができる。水蒸気での希釈により、平衡は、脱水素の生成物にシフトする。場合によっては、触媒は、水素が含有ガスでの再生後に還元される。]
[0035] 本質的に純粋な酸素の供給下での自熱的なプロパン脱水素の場合には、一般に次の組成を有するガス混合物が得られる:プロパン10〜45体積%、プロペン5〜40体積%、メタン、エタン、エテンおよびC4+炭化水素0〜5体積%、二酸化炭素0〜5体積%、水蒸気0〜20体積%および水素0〜25体積%ならびに不活性ガス0〜5体積%。]
[0036] 本質的に純粋な酸素の供給下での自熱的なブタン脱水素の場合には、一般に次の組成を有するガス混合物が得られる:ブタン5〜40体積%、1−ブテンおよび2−ブテン10〜60体積%、メタン、エタン、エテン、プロパン、プロペンおよびC5+炭化水素0〜10体積%、二酸化炭素0〜5体積%、水蒸気0〜20体積%および水素0〜25体積%ならびに不活性ガス0〜5体積%。]
[0037] 生成物ガス流bは、脱水素帯域を離れた後に一般に1〜5バール、特に1.5〜3バールの圧力下にあり、および400〜700℃の範囲内の温度を有する。]
[0038] 生成物ガス流bは、2つの部分流に分離されることができ、この場合には、ドイツ連邦共和国特許出願公開第10211275号明細書およびドイツ連邦共和国特許出願公開第10028582号明細書中に記載された循環ガス運転形式に相応して、1つの部分流は、自熱的な脱水素に返送される。]
[0039] 処理工程C)で生成物ガス流bは、圧縮される。生成物ガス流bは、5〜150バール、有利に15〜100バール、特に有利に20〜60バールの圧力に圧縮される。圧縮は、多工程で中間冷却を伴って、例えば3工程または4工程で行なうことができ、有利には、多工程、3工程で行なわれる。本発明による方法の1つの実施態様において、生成物ガス流bの1工程または2工程の圧縮は、5〜12バールの範囲内の圧力で行なわれ、引続き1工程または2工程の圧縮は、10〜25バールの範囲内の圧力で行なわれる。また、冷却は、多工程で行なうことができ、好ましくは、冷却は多工程で行なわれる。冷却剤としては、空気冷却器中の空気、流水または冷却水ならびに20バールまでの圧力への圧縮および引続く放圧により、−40℃〜−100℃の範囲内の温度に冷却される寒剤、例えばエテン、プロペンおよびプロパンがこれに該当する。]
[0040] 場合によっては、生成物ガス流bは、水相dとアルケン(III)ならびに未反応のアルカン(II)を含有する炭化水素相c2と水素および低沸点物を含有する気相c3とに分離される。]
[0041] 処理工程C)での分離工程は、一般に生成物ガス流bが水蒸気を含有する場合に行なわれる。しかし、単に水分離が行われてもよい(下記参照)。]
[0042] 生成物ガス流bから最初に水が分離されうる。水の分離は、凝縮、冷却および場合により生成物ガス流bの圧縮によって実施されることができ、1つ以上の冷却工程および場合により圧縮工程で実施されることができる。一般に、生成物ガス流bは、30〜80℃、特に40〜65℃の範囲内の温度に冷却される。この場合、凝縮は、圧縮前および/または圧縮工程で中間冷却として行なうことができる。]
[0043] 本発明による方法の1つの実施態様において、生成物ガス流bは、熱交換器のカスケードに導通され、こうして最初に50〜200℃の範囲内の温度に冷却され、引続き急冷塔中で水を用いて40〜80℃、例えば55℃の温度にさらに冷却される。この場合、水蒸気の大部分は、凝縮されるが、しかし、生成物ガス流b中に含有されている高沸点物の一部分も凝縮される。プロパンの脱水素の場合には、この高沸点物は、C4+炭化水素、殊にC5+炭化水素であることができる。]
[0044] この場合には、水蒸気の含量が減少した生成物ガス流bが得られる。この生成物ガス流bは、一般になお5体積%までの水蒸気を含有する。水を生成物ガス流bから実際に完全に除去するために、モレキュラーシーブによる乾燥が設けられていてよい。]
[0045] 自熱的なアルカンの脱水素を純粋な酸素の供給下、または酸素含有ガスとしての酸素の含量に富んだ空気の供給下に実施した場合には、生成物ガス流bの後処理ならびにアルカンおよびアルケンを含有する混合物c2の取得は、下記の記載と同様に行なうこともできる。]
[0046] 引続き、生成物ガス流bは、冷却され、プロパンおよびプロペンまたはn−ブタンおよびブテンを含有する液状の炭化水素流は、凝縮によって分離され、この場合には、水素および低沸点物を含有する残留ガス流c3が残存する。それと共に、プロパンの脱水素の場合には、炭化水素流c2は、メタン、エタン、エテンおよびC4+炭化水素を含有することができ、一般にこの炭化水素流c2は、少なくとも微少量でエタンおよびエテンを含有する。圧縮工程Cでの分離工程内の温度および圧力は、生成物ガス流b中に含有されているアルカンおよびアルケンの大部分がガス流c3中に含有されているように選択することもできる。このガス流c3は、炭化水素流c2と同様にエステル形成帯域D中に導入されることができるか、または他の選択可能な方法によれば、吸収工程(下記の記載と同様)中に導入されることができる。]
[0047] n−ブタンの脱水素の場合には、条件は、主にn−ブタンおよびブテンが全て凝縮されるように選択される。残留ガス流c3は、水素と共に低沸点物として一般になおメタンおよび一酸化炭素を含有する。それと共に、この残留ガス流c3は、なおエタンおよびエテンを含有していてもよく、自熱的な脱水素が純粋な酸素の供給下で実施されない場合には、殊に窒素および希ガス(主にアルゴン)を含有していてもよい。それと共に、この残留ガス流c3は、なおC3炭化水素およびC4炭化水素を含有していてもよい。そのために、生成物ガス流bは、一般に5〜60バールの範囲内の圧力に圧縮され、−10〜−60℃の範囲内の温度に冷却される。]
[0048] 生成物ガス流bからの完全な水分離が凝縮工程前に行なわれない場合には、炭化水素流c2と共に、冷却および圧縮の際に水相dを凝縮することができ、相分離によって相分離器中でC3炭化水素相c2と分離することができる。多工程での冷却および圧縮の際に、生じる全部の凝縮流は、相分離器に供給されることができる。]
[0049] C3炭化水素相c2は、凝縮前の生成物ガス流bからの水の早期の除去を省略することもできる。更に、水は、水相dとしてアルカンおよびアルケンを含有する炭化水素相c2と一緒に凝縮する。更に、引続き水相および炭化水素相は、1つの相分離器中で分離される。]
[0050] 一般に、生成物ガス流の冷却は、熱交換器によって冷却剤を用いて行なわれる。冷却は、多工程で多数の冷却循環路を使用しながら行なうことができる。冷却は、多工程で塔内で行なうことができ、この場合この塔内で上昇するガスは、取り出され、冷却され、(部分的に)凝縮され、および塔内に返送される。凝縮物は、塔底部から取り出され、凝縮されていないガスは、頭頂部から取り出され、この場合このガスは、最上の冷却循環路中でも凝縮されていない。]
[0051] アルカンの脱水素を自熱的な脱水素として、形成された水素の同時の燃焼下に実施した場合には、生成物ガス流bの僅かな水素含量が生じる。その結果として、分離工程C)において、この分離工程C)が実施された場合には、C3炭化水素またはC4炭化水素が主に全て凝縮され、水素/低沸点物を含有する排ガス流c3を有するC3炭化水素またはC4炭化水素の微少量だけが搬出される。]
[0052] 炭化水素の凝縮の実施前に、生成物ガス流bから二酸化炭素は、ガス洗浄器によって分離されることができ、この場合には、二酸化炭素の含量が減少した生成物ガス流bが得られる。二酸化炭素ガス洗浄器には、特殊な燃焼工程が前接続されていてよく、この燃焼工程で一酸化炭素は、選択的に二酸化炭素に酸化される。]
[0053] CO2分離のために、一般に苛性ソーダ液、苛性カリ液またはアルカノールアミン溶液が洗浄液として使用され、好ましくは、活性化されたN−メチルジエタノールアミン溶液が使用される。一般に、ガス洗浄の実施前に生成物ガス流cは、一工程または多工程での圧縮によって5〜25バールの範囲内の圧力に圧縮される。]
[0054] 一般に100ppm未満またはむしろ10ppm未満のCO2含量を有する、二酸化炭素の含量が減少した生成物ガス流bを得ることができる。]
[0055] 冷却工程および凝縮工程C)で得られた液状の炭化水素凝縮物流c2は、一般にアルカン(II)20〜60モル%、アルケン(III)20〜60モル%、低沸点物0〜20モル%および高沸点物0〜5モル%を含有する。]
[0056] プロパンの脱水素の場合には、冷却工程および凝縮工程C)で得られた液状の炭化水素凝縮物流c2は、プロパン20〜70モル%、プロペン20〜60モル%、メタン0〜10モル%、エタンおよびエテン0〜10モル%、およびC4+炭化水素0〜5モル%を含有することができる。]
[0057] 自熱的なアルカンの脱水素を酸素含有ガスとしての空気の供給下に実施した場合には、生成物ガス流bの後処理ならびにアルカンおよびアルケンを含有する混合物c2の取得は、下記の記載と同様に行なうこともできる。最初に、生成物ガス流bを冷却し、場合によっては圧縮することにより、水蒸気は、凝縮により分離させることができ、この場合には、水蒸気の含量が減少した生成物ガス流bが得られる。引続き、アルカンおよびアルケンは、凝縮不可能なガス成分または低沸点のガス成分と、生成物ガス流bと不活性の吸収剤との接触および不活性の吸収剤中に溶解されたアルカンおよびアルケンの脱着によって分離され、この場合には、ガス状のC3炭化水素流またはC4炭化水素流が得られ、水素および低沸点物(プロパンの脱水素の場合には、メタン、エタン、エテン、窒素、一酸化炭素、二酸化炭素、場合によっては酸素および場合によっては不活性ガス、n−ブタンの脱水素の場合には、また付加的にプロパンおよびプロペン)を含有する排ガス流c3が分離される。生成物ガス流bの記載された後処理は、自熱的なアルカンの脱水素の場合には、純粋な酸素または酸素含有ガスとしての酸素の含量に富んだ空気の供給下に相応して実施されてもよい。]
[0058] そのために、吸収工程で5〜40バール、有利に8〜20バール、特に有利に10〜15バールでガス流bは、不活性の吸収剤と接触され、この場合には、C3炭化水素またはC4炭化水素ならびに微少量のC2炭化水素が不活性の吸収剤中に吸収され、C3炭化水素またはC4炭化水素が負荷された吸収剤ならびに通常のガス成分を含有する排ガスc3が得られる。本質的に、これは、一酸化炭素、水素、不活性ガスならびにC2炭化水素およびメタンである。また、或る程度の量のプロパンおよびプロペンまたはC4炭化水素は、流れc3中になお含有されていてよく、それというのも、分離は、一般に全く完全ではないからである。脱着工程において、C3炭化水素またはC4炭化水素は、吸収剤から再び放出される。]
[0059] 吸収工程で使用される不活性の吸収剤は、一般に高沸点の非極性溶剤であり、この非極性溶剤中で、分離すべきC3炭化水素混合物またはC4炭化水素混合物は、残りの分離すべきガス成分よりも明らかに高い溶解度を有する。吸収は、流れcを吸収剤に簡単に導通させることによって行なうことができる。しかし、吸収は、塔内で行なうこともできる。この場合には、並流、向流または交叉流で作業を行なうことができる。適した吸収塔は、例えばバブルキャップトレイ、バルブトレイおよび/またはシーブトレイを有する泡鐘塔、構造化充填物、例えば100〜1000m2/m3の比表面積を有する織物充填物または薄板充填物、例えばMellapak(登録商標)250Yを有する塔、および例えば球体、リング、または金属、プラスチックもしくはセラミックからなるサドルを充填体として有する充填体塔である。また、洗浄塔およびスプレー塔、黒鉛遮断吸収塔(Graphitblockabsorber)、表面吸収塔(Oberflaechenabsorber)、例えば厚膜式吸収塔および薄膜式吸収塔ならびに取付け物を備えた気泡塔および取付け物なしの気泡塔がこれに該当する。]
[0060] 特に、吸収塔は、吸収部および精留部を有する。更に、溶剤中でのC3炭化水素またはC4炭化水素の含量を精留の種類に応じて増加させるために、塔底部に熱を搬入させることができる。他の選択可能な方法によれば、塔底部に例えば窒素、空気、水蒸気またはプロパン/プロペン混合物からなるストリッピングガス流を供給することができる。即ち、吸収塔の精留部で、負荷された吸収剤は、ストリッピングガス流と接触される。それによって、負荷された吸収剤からC2炭化水素は、ストリッピングされる。塔頂生成物の一部分は、凝縮されることができ、返送流として再び頭頂部に供給されることができ、溶剤損失が制限される。]
[0061] 適した吸収剤は、比較的に非極性の有機溶剤、例えば脂肪族C4〜C18アルケン、ナフサまたは芳香族炭化水素、例えばパラフィン蒸留による中油画分、または嵩張る基を有するエーテル、または前記溶剤の混合物であり、この場合前記混合物には、極性溶剤、例えば1,2−ジメチルフタレートが添加されていてよい。更に、適した吸収剤は、安息香酸およびフタル酸と直鎖状C1〜C8アルカノールとのエステル、例えば安息香酸−n−ブチルエステル、安息香酸メチルエステル、安息香酸エチルエステル、フタル酸ジメチルエステル、フタル酸ジエチルエステル、ならびに所謂熱媒体油、例えばビフェニルおよびジフェニルエーテル、これらのクロロ誘導体ならびにトリアリールアルケンである。適した吸収剤は、有利に共沸混合物の組成でのビフェニルとジフェニルエーテルとの混合物、例えば市場で入手可能なDiphyl(登録商標)である。前記溶剤混合物は、しばしばジメチルフタレートを0.1〜25質量%の量で含有する。更に、適した吸収剤は、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、テトラデカン、ペンタデカン、ヘキサデカン、ヘプタデカンおよびオクタデカン、または精製流から取得される、主成分として前記の直鎖状アルカンを含有する画分である。好ましい吸収剤は、C8〜C10炭化水素であり、特に好ましいのは、C9炭化水素、殊にノナンである。]
[0062] C3炭化水素またはC4炭化水素の脱着のために、負荷された吸収剤は、加熱され、および/または低い圧力に放圧される。他の選択可能な方法によれば、脱着は、通常、水蒸気を用いてのストリッピングによって行なうこともできるし、または放圧、加熱およびストリッピングの組合せで1つ以上の処理工程で行なうこともできる。例えば、脱着は、2工程で実施されることができ、この場合第2の脱着工程は、第1の脱着工程よりも低い圧力で実施され、第2の工程の脱着ガスは、吸収工程に返送される。脱着工程で再生された吸収剤は、吸収工程に返送される。場合によっては、C4+炭化水素を含有することができる前記の吸収剤流の一部分は、排出され、後処理され、および返送されるかまたは廃棄される。]
[0063] 1つの変法において、脱着工程は、負荷された吸収剤の放圧および/または加熱によって実施される。更に、1つの変法において、付加的に水蒸気を用いてストリッピングされる。]
[0064] 分離は、一般に必ずしも完全ではなく、したがってC3炭化水素流またはC4炭化水素流中には、分離の種類に応じてなお微少量または痕跡の他のガス成分、殊に低沸点炭化水素が存在していてよい。]
[0065] 引続き、脱着されたC3炭化水素またはC4炭化水素は、冷却されることができ、この場合この脱着されたC3炭化水素またはC4炭化水素は、付加的に1つ以上の他の圧縮工程で圧縮されることができる。この場合には、C3炭化水素またはC4炭化水素からなる液状凝縮物流c2が得られる。この流れc2は、なお微少量のC2炭化水素を含有することができる。それと共に、水性の凝縮物流および場合により他の量の排ガス流c3が生じうる。水性の凝縮物流は、一般に溶解されたガスの脱着のために水蒸気を用いてストリッピングする場合に生じる。]
[0066] 圧縮は、再び一工程または多工程で行なうことができる。一般に、総じて1〜29バール、特に1〜10バールの範囲内の圧力から12〜30バールの範囲内の圧力へ圧縮される。全ての圧縮工程後に、冷却工程が行われ、この冷却工程でガス流は、15〜80℃、特に15〜60℃の範囲内の温度に冷却される。引続き、圧縮されたガス混合物は、−10℃〜60℃、特に−10℃〜30℃の温度に冷却される。場合によっては存在する水性の凝縮物流は、相分離装置中で液状のC3炭化水素またはC4炭化水素と分離されうる。]
[0067] 上記の吸収工程は、次のように実施されてもよい。]
[0068] 吸収剤として、吸収塔内で、エステル形成帯域中で相応するアルケンと反応される同じアルカン酸が使用される。この場合には、さらに上記の脱着工程を省略することができる。C3炭化水素またはC4炭化水素で負荷された吸収剤、即ちこの場合には、アルカン酸は、さらに場合によりさらなる加熱および/または圧縮の後に、直接にエステル形成帯域中に導入されてよい。吸収塔内への供給量の吸収剤として、この場合には、分離工程(G)からエステル分解帯域後に分離されたアルカン酸を使用することができる。更に、このアルカン酸は、直接にエステル形成帯域中に返送されるのではなく、吸収工程に返送され、そこからC3炭化水素またはC4炭化水素で負荷されてエステル形成帯域中に返送される。]
[0069] しかし、処理工程C)中での分離工程は、実施する必要はない。しかし、上記の記載と同様に、常に少なくとも生成物ガス流bの圧縮は、実施される。例えば、アルカンの脱水素が酸素含有ガスの供給下ならびに水蒸気の存在下で実施されない場合には、プロパンの脱水素の場合に本質的にプロパン、プロペン、水素および低沸点物からなり、およびn−ブタンの脱水素の場合に本質的にブテン、1−ブテン、2−ブテン、水素および低沸点物からなる、得られた脱水素ガス混合物bは、直接にC3炭化水素またはC4炭化水素の早期の分離なしに供給されることができ、有機酸と接触させることができる。生成物ガス流bが水蒸気を含有する場合には、それというのも、この脱水素は、酸素の供給下および/または水蒸気の供給下で実施されたからであり、水蒸気の分離は、単に、例えば上記C)での記載と同様に凝縮で十分であり、残留する、C3炭化水素またはC4炭化水素、水素および低沸点物を含有する混合物は、ガス状または液状で有機酸と反応される。また、一酸化炭素および他の不活性ガス(空気窒素)の存在は、エステル形成反応を原則的に損なわない。]
[0070] 残留ガス流c3は、主に脱水素工程中A)に返送されることができ、好ましくは主に脱水素工程中A)に返送される。1つの部分流は、分離され、プロセスから排出され、副成分の含量の増加は、回避される。この部分流は、燃焼されてもよいし、この部分流中に含有されているアルカン/アルケンの回収のために処理工程に供給されてもよい。回収は、吸収または吸着として、膜分離または精留として実施されてよい。]
[0071] 残留ガス流c3の部分流は、エステル形成工程D)に供給されてもよい。]
[0072] 炭化水素相c2は、直接にエステル形成工程D)に供給されてもよいし、さらに圧力上昇の後にエステル形成工程D)に供給されてもよい。水性の凝縮物流dは、前記方法から排出されてもよいし、エステル分解工程(処理工程F))中に導入されてもよい。]
[0073] 処理工程D)において、生成物ガス流b、または処理工程C)中での分離工程が実施される場合にアルカン(II)およびアルケン(III)を含有する層c2および場合により残留ガス流c3または吸収工程が前記の記載と同様に有機酸で実施される場合にC3炭化水素またはC4炭化水素が負荷されたアルカン酸(IV)は、エステル形成帯域中でアルカン酸(IV)と反応され、この場合には、アルカン酸(IV)の相応するアルキルエステル(V)(イソプロピルエステル2−ブチルエステル)および未反応のアルカン(II)を含有する生成物混合物dが得られる。]
[0074] エステル形成は、液相中または二相(反応体に関連して)で気−液反応として実施されることができる。]
[0075] エステル形成は、一般に10〜100バールの圧力および50〜250℃の温度で実施される。一般に、アルカン酸(IV)は、アルケンに対してアルケン1モル当たり0.5〜50モルの量、有利に化学量論的過剰量で、好ましくは1.1〜6モルの量、特に有利にアルケン1モル当たり1.2〜2.5モルで使用される。一般に、アルケンの50〜90%は、相応するアルキルエステルに反応する。それと共に、生成物ガス流b中または不飽和の副成分を含有する流れc2中でアルキルエステルに反応することができる。このアルキルエステルは、引続く後処理工程で直ちに蒸留により分離されることができる。流れb中で、またはc2を含有するアルカンは、必然的にエステル形成工程D)で反応せず、エステル形成で未反応のアルケン(III)と一緒にエステル形成工程D)の運転の場合に流れd中の均一な液相でエステル形成工程D)を離れるか、または気−液運転形式でのエステル形成工程D)の運転の場合に付加的な流れd2)としてエステル形成工程D)を離れる。この流れは、アルカンおよびアルケンと共になお微少量の形成されたエステルならびに水ならびに既に流れc2中に含有されている低沸点物を含有することができる。]
[0076] エステル形成工程D)を気−液運転形式で運転する場合には、このエステル形成工程D)は、2つの帯域、反応帯域および再洗浄帯域を含む。反応帯域の目的は、アルカン酸(IV)とアルケン(III)とをできるだけ高い反応率で反応させることである。再洗浄帯域中で水の添加によってガス流d2は、十分に酸残基が取り除かれる。それによって、別の装置部分での腐蝕の問題は、流れd2)の返送の際に回避させることができる。]
[0077] エステル形成は、固定床反応器中で下降流運転形式(Rieselfahrweise)または渦動床運転形式で実施されることができる。原理的に有機酸およびアルケン含有の流れは、並流または向流で導くことができるが、しかし、交叉流で導くこともできる。好ましくは、多数の触媒床のカスケードは、場合によっては酸および/またはアルケン含有の流れの中間供給を伴って行なわれる。好ましくは、2〜5個、特に有利に2〜3個の異なる反応帯域のカスケードが使用される。遊離される反応熱は、内在する熱交換面によって導出されうる。また、熱交換器が反応熱の導出のために取り付けられている外部の循環回路を有する運転形式は、可能である。反応器中での軸方向の温度プロフィールは、循環量の調節によって殆んど任意に調節されることができる。他の選択可能な方法によれば、エステル形成は、気泡塔中またはビームループ反応器(Strahlschlaufenreaktoren)中で実施されることができる。1つの特殊な実施態様は、管状反応器が意図的に触媒の緩和点で運転される渦動床運転形式(所謂懸垂床運転形式)で外部熱交換器および2回のカスケードを備えていることにある。]
[0078] 再洗浄帯域中で水の添加により、酸残基の除去は、行なわれる。装置的にこの帯域は、別々の固有の装置として形成されていてもよいし、固定床反応器中に組み込まれて形成されていてもよい吸収塔に対応する。取付け物としては、トレイ、規則充填体または不規則充填体が使用されてよい。この場合、洗浄水の量は、ガス流d2中の酸残基量が<50ppm、有利に<<10ppm、特に有利に<<1ppmであるように選択される。洗浄水の量と酸<1ppmを達成させるために除去すべき酸量との典型的な比は、1kg/kg〜20kg/kgの範囲内にある。酸残基が負荷された洗浄水は、処理工程F)でエステル分解のために使用されることができる。]
[0079] 適した不均一なエステル形成触媒は、酸性のイオン交換体樹脂、殊にスルホン化された、ジビニルベンゼンで架橋されたポリスチレンからなるものである。前記触媒は、異なる細孔構造を有することができ、ミクロ細孔、ゲル状およびマクロ細孔の触媒は、区別される。更に、ポリスチレンの芳香環には、負電荷の基(elektronegative Reste)、例えば塩素または弗素が結合していてよい。この種の適した触媒は、例えばAmberlyst 15, 16, 36, 39, 40, 46, 48, 70, 119, 139、Lewatit K1 131, K1221, K1461, K2420, K2629, K2649, Puorlite CT169, CT175, CT275, Diaion RCP145Hである。特に好ましいのは、酸性基の高い含量を有する触媒、例えばAmberlyst 35, 36, 40, 49, 119、Lewatit K2649, Puorlite CT275である。ここに記載された触媒は、通常、乾燥された形または含水形で入手可能である。これら双方の形が適しており、含水触媒の場合には、水は、有機酸またはアルコール、特にイソプロパノールまたは2−ブタノールでの洗浄によって排除される。酸性のイオン交換体樹脂に類似した、触媒の群は、スルホン化された、重縮合された芳香族化合物または黒鉛状炭素に由来する。このような材料は、例えば多環状芳香族化合物、例えばナフタリンまたはアントラセンを、芳香族化合物への縮合を導く条件下でスルホン化することによって形成される。1つの類似の方法は、有機材料の炭化、例えば無気的条件での糖化(Zuckern)から出発する。相応する残留物は、引続きスルホン化される。更に、不均一な有機触媒の群は、適した担持材料上に吸着されるイオン性液体に由来する。更に、また、ポリマーのイオン交換体樹脂と共に、一連の無機触媒、例えば酸性の金属酸化物触媒または酸性のゼオライトが適している。殊に、硫酸化酸化ジルコニウムおよびタングステン酸ジルコニウム系またはタングステン酸チタン系は、酸性の金属酸化物触媒に含むことができる。更に、水中で不溶性の、ヘテロポリ酸の酸性の塩、例えばタングステン酸塩燐酸またはモリブデン酸塩燐酸、またはタングステン酸塩珪酸は、触媒の前記群に含まれる。このような不溶性塩は、大きなイオン半径を有する金属陽イオンを有する前記酸、例えばK+、Rb+、Cs+、NH4+またHAg+から形成される。前記塩において、通常、カチオンに対して酸の中心の10〜90モル%、殊に40〜85モル%が交換される。更に、触媒の群は、ヘテロポリ酸またはその塩に由来し、これらのヘテロポリ酸またはその塩は、不活性担持材料、例えばシリカゲル、酸化アルミニウムまたは活性炭上で吸着されている。ベーターゼオライト、フォージャサイト、モルデナイトおよびZSM−5−ゼオライトの構造型のものは、適したゼオライト触媒に属する。ゼオライト構造と共に、ゼオライト骨核中の(モジュールの)Si/Al原子の比は、ゼオライトの触媒活性にとって決定的なことである。モジュールを2〜500個、殊に3〜200個、特に有利に5〜100個有するようなゼオライトは、本発明による方法に適している。本明細書中に記載された無機触媒は、通常、熱的に活性化され、即ちこの材料は、50〜900℃、特に90〜500℃の温度でか焼される。]
[0080] エステル形成反応は、均一的に促進されて行なうこともできる。このために、鉱酸、殊に硫酸、スルホン酸または遊離ヘテロポリ酸ならびにこれらの酸性の溶解性塩または酸性のイオン性液体が適している。]
[0081] 好ましくは、エステル形成は、不均一な触媒の存在下に行なわれる。好ましい不均一な触媒は、酸性のイオン交換体樹脂、ヘテロポリ酸の酸性のカリウム塩、セシウム塩またはアンモニウム塩ならびにベーターゼオライトおよびフォージャサイトである。特に好ましいのは、イオン交換体樹脂である。]
[0082] 好ましいアルカン酸(IV)は、非分枝鎖状または分枝鎖状のC4〜C10アルカン酸であり、特に好ましいのは、非分枝鎖状または分枝鎖状のC4〜C6アルカン酸であり、殊に好ましいのは、酪酸(ブタン酸)、吉草酸(ペンタン酸)およびイソ吉草酸(3−メチルブタン酸)である。即ち、プロペンは、酪酸と反応してイソプロピルブチレートに変わり、および吉草酸またはイソ吉草酸と反応してイソプロピルバレリエートまたはイソプロピルイソバレリエートに変わる。1−ブテンおよび2−ブテンは、酪酸と反応して2−ブチルブチレートに変わり、および吉草酸またはイソ吉草酸と反応して2−ブチルバレレートまたは2−ブチルイソバレレートに変わる。]
[0083] 処理工程E)において、エステル形成の生成物混合物から、未反応のアルカン(II)(プロパンまたはn−ブタン)を含有するガス流e1は、分離され、このガス流e1は、場合により脱水素帯域中に返送される。このために、一般にエステル形成の生成物混合物dは、放圧され、この場合プロパンまたはn−ブタンを含有するガス流e1は、分離され、アルキルエステル(V)を含有する生成物混合物e2が得られる。ガス流e1は、再洗浄帯域のガス流d2と処理工程Dで合わされることができ、一緒に脱水素帯域Bに供給されることができる。]
[0084] 一般に、生成物混合物dは、20〜60バールの範囲内の圧力から2〜10バールの範囲内の圧力に放圧される。その際に、場合によっては生成物混合物d中に含有されている低沸点物、例えばエタン、エテン、メタン、一酸化炭素および不活性ガスは、プロパンまたはn−ブタンと一緒に分離される。アルカン(II)を含有するガス流e1は、特にアルカンの脱水素に返送される。]
[0085] アルカン(II)を含有するガス流e1は、なお低沸点物、例えばエタン、エテン、メタン、一酸化炭素および不活性ガスならびに水素を含有することができる。一般に、このガス流e1は、工程C)で未だ低沸点物および水素(残留ガス流c3)の前記の(場合による)分離が行われていない場合には、低沸点物および場合による水素を含有する。ガス流e1から1つの部分流を分離することができ、プロセスから排出され、副成分の含量の増加は、回避される。この部分流は、燃焼させることができるか、またはこの部分流中に含有されているアルカン/アルケンの回収のために1つの処理工程に供給することができる。この回収は、吸収または吸着として、膜分離または精留として実施されてよい。前記流れ中に含有されている水素は、例えば圧力交換吸着によって再び取得されることができる。再び取得されたアルカン/アルケンならびに再び取得された水素は、脱水素帯域中に返送されてよい。また、全ての流れe1は、前記処理から排出されてもよいし、前記流れ中に含有されているアルカン/アルケンまたは水素の回収のために前記処理工程に返送されてもよい。]
[0086] 一面でアルケン/アルカンと、他面エステル/酸混合物との純粋な放圧の場合よりも良好な物質分離を達成するために、付加的に蒸留または精留を実施することができる。典型的には、このような分離のためには、0.2〜1.5の返送比の際に10〜20段の理論的分離段が必要とされる。この場合には、棚段塔、例えば泡鐘塔ならびに規則充填体塔または不規則充填体塔を使用することができる。]
[0087] 生成物混合物dは、20〜60バールの範囲内の圧力から一般に2〜45バール、例えば10〜40バール、または特殊な変法で25〜32バールの圧力へ放圧されてもよい。放圧後に存在する流れe1およびe2は、以下の記載と同様に2個の塔K1およびK2を使用しながら後処理されることができる。]
[0088] 前記後処理の多数の変法が実施されてよい。変法1は、C3成分(プロパンおよびプロペン)が"急激に"分離されることを示し、この場合には、極めて僅かなプロパンおよびプロペンだけが塔底部の流出物(流れe2に対応する)中に含有されている(例えば、約100〜1000質量ppm)。前記変法の利点は、そもそもC3炭化水素が次の工程F)およびG)に全く到達しないか、または極めて僅かなC3炭化水素だけが次の工程F)およびG)に到達することである。更に、下記の変法IIに対応するように、C3成分が急激に分離されない場合には、これは、工程F)およびG)において高い処理技術的費用を必然的に伴う。]
[0089] 変法1aによれば、放圧後に存在するガス流e1は、第1の塔K1に供給される。この塔中の圧力は、供給流の圧力と同じかまたは僅かに低い。塔K1は、有利に従来の塔の純粋な強化部分であり、即ちこの塔K1は、蒸発器を有していないが、しかし、凝縮器を有しており、供給部は、有利に塔の下方に存在する。放圧後に存在する液体流e2は、第2の塔K2に供給される。塔K2の圧力は、明らかに塔K1の圧力より低い。典型的な圧力は、例えばK1=30バール(全て絶対圧力)およびK2=1.5バールである。一般にK1中の圧力は、10〜40バール、有利に25〜32バールであり、K2中の圧力は、1〜5バール、有利に1.3〜2バールである。塔K1の塔底部の流出物は、同様に塔K2に供給される。塔K1およびK2の2つの頭頂部の流出物の流れは、流れe1に対応し、上記の記載のようにさらに使用されてもよいし、さらに後処理されてもよい。この場合、第2の塔K2の頭頂部の流出物は、有利に直接に脱水素帯域中に返送され、その際、場合によっては圧縮機が使用される。]
[0090] 更に、変法1bによれば、変法1aの記載と同様に作業され、この場合だけ塔K2の圧力は、よりいっそう高い(典型的な値、例えばK1=30バール、K2=5バール)。一般にK1中の圧力は、10〜40バール、有利に25〜32バールであり、K2中の圧力は、2.5〜7バール、有利に4〜6バールである。この変法は、圧縮機が全く不要であるという利点を有する。]
[0091] 更に、変法1cによれば、変法1aの記載と同様に作業されるが、しかし、塔K2の凝縮器の温度は、よりいっそう高い(例えば、約40℃)。一般に、前記温度は、30〜50℃、有利に37〜45℃である。それによって、塔K2の頭頂部の流出物の流れは、なおアルキルエステルの大きな割合を占め、したがって直接に脱水素帯域中に返送することができない。従って、前記の流れは、塔K1の圧力に圧縮され、塔K1に供給される。この変法の場合、単に塔K1の頭頂部の流出物の流れは、流れe1に相当し、上記の記載と同様にさらに使用されてもよいし、さらに後処理されてもよい。一般にK1中の圧力は、10〜40バール、有利に25〜32バールであり、K2中の圧力は、1〜5バール、有利に1.3〜2バールである。]
[0092] 更に、変法IIによれば、変法1bの記載と同様に作業されるが、しかし、塔K2の塔底部の流出物中の大量(例えば、約1〜2質量%)のC3成分(プロパンおよびプロペン)が可能であり、したがって塔底部の温度は、約100〜110℃に制限され、蒸発器および塔K2の塔底部に対する高められた材料要件は、生じない。塔K1中の圧力は、一般に10〜40バール、有利に25〜35バールであり、塔K2中の圧力は、一般に2.5〜7バール、有利に4〜6バールである。]
[0093] 同様に、場合によっては返送流d2がなお大量のアルキルエステル(V)を含有する場合には、この返送流d2も処理されてよい。この場合も、前記流れの蒸留による精製が好ましい。この蒸留による精製は、別の塔中で行なうことができるか、または他の選択可能な方法によれば、共通の塔中での流れdの処理と一緒に行なうことができる。吸着、吸収、ガス洗浄または接触的精製工程による微細精製が継続することができる。]
[0094] アルキルエステル(V)を含有する生成物混合物e2(本質的にアルキルエステル(V)およびアルカン酸(IV)、例えばイソプロピルイソバレレートおよびイソ吉草酸からなる)は、さらに後処理されてよく、その後に流れe2は、処理工程F)中に導入される。この場合、蒸留塔中で、アルカン酸(IV)、例えばイソ吉草酸は、アルキルエステル(V)、例えばイソプロピルイソバレレートと分離されることができる。アルカン酸(IV)、例えばイソ吉草酸は、塔底生成物として取得されることができ、エステル形成工程に返送されることができる。アルキルエステル(V)、例えばイソプロピルイソバレレートは、塔頂生成物として取得されることができ、さらに処理工程F)に導入される。イソ吉草酸とイソプロピルイソバレレートとの分離の場合の適した処理パラメーターの例は、1.5バールまでの圧力(全て絶対圧力)および0〜3の返送比である。アルカン酸(IV)の分離によって、処理工程G)の加水分解反応器中での反応平衡は、プラスの影響を及ぼされる。それによって、返送流(水=流れk1;イソプロピルイソバレレート=流れh2)が著しく減少されるという付加的な結果を伴って、よりいっそう高い加水分解変換率が可能になりうる。明らかに少ない返送流の結果、例えば次に記載された装置(1)、(2)、(3)および(4)の投資需要およびエネルギー需要は、減少する。加水分解工程F)の実施前のアルカン酸(IV)の記載された分離によって、付加工程F)と加水分解工程F)とは、付加的に脱結合される。]
[0095] 処理工程F)において、アルキルエステル(V)を含有する生成物混合物e2は、エステル分解帯域中で水と反応され、アルカノール(I)(イソプロパノールまたは2−ブタノール)およびアルカン酸(IV)を含有する生成物混合物fに変わる。処理工程G)において、生成物混合物fからアルカノール(I)は、分離され、アルカン酸(IV)が逆に取得される。アルカン酸(IV)は、一般にエステル形成工程D)に返送されるか、または吸収剤として、気相c3からのアルケンおよびアルカンの分離のために吸収工程に導入される。]
[0096] この場合、生成物混合物fは、アルカン酸(IV)およびアルキルエステル(V)ならびに水を含有する流れg1と、本質的にアルカノール(I)および水からなる流れg2とに分離されることができる。流れg1は、蒸留によりアルカン酸(IV)とアルキルエステル(V)および水からなる混合物とに分離される。アルカン酸(IV)は、エステル形成工程Dに返送されるかまたは気相c3からのアルケンおよびアルカンの分離のために吸着工程に返送され、一方で、アルキルエステル(V)および水からなる混合物は、エステル分解帯域F中に返送される。アルカノール(I)/水からなるg2の分離は、相平衡に依存して、簡単な蒸留または連行剤(イソプロパノールの場合のベンゼン、シクロヘキサンまたはジイソプロピルエーテル)の使用下での共沸混合物の精留、抽出剤(例えば、イオン性液体または酢酸)の使用下での抽出蒸留ならびにメンブラン法(透析蒸発または蒸気浸透)によって行なうことができる。]
[0097] エステル分解は、均一的ならびに不均一的に触媒により実施されることができる。加水分解によるエステル分解には、原則的にエステル形成反応の場合にも使用される上記触媒が適している。好ましい不均一な触媒は、イオン交換体樹脂である。好ましい均一な触媒は、硫酸またはヘテロポリ酸である。]
[0098] エステル形成帯域は、反応器または反応性蒸留塔として構成されていてよい。また、反応器と反応性蒸留塔との組合せは、可能である。]
[0099] エステル分解と蒸留は、別々の処理工程で実施されてよい。本発明による方法の1つの変法において、アルキルエステル(V)を含有する混合物e2は、エステル分解反応器中で水と反応され、アルカノール(I)、アルカン酸(IV)、アルキルエステル(V)および水を含有する生成物混合物fに変わり、引続き前記混合物は、場合によっては分離壁塔と結合された、少なくとも2個の順次に接続された蒸留塔中で分離される。]
[0100] エステル分解反応器は、不均一な触媒によるエステル分解の場合には、固定床反応器、下降流床反応器(Rieselbettreaktor)、渦動床反応器または懸濁床反応器(Suspensionsrektor)として構成されていてよい。渦動床反応器の場合には、触媒は、意図的に緩和点で運転されてよい(所謂浮遊床運転形式)。均一的な触媒によるエステル分解の場合には、反応器は、例えば攪拌釜型反応器または管状反応器として構成されていてよい。エステル分解を均一的に実施する場合には、触媒は、一般にアルカン酸を用いて処理工程G)で、一般に第2の蒸留塔の頭頂部の流出物の流れにより分離される。この場合には、エステル形成工程D)へのアルカン酸の返送前に触媒は、分離されることができ、分離された触媒は、エステル分解反応器中に返送される。触媒の分離は、熱的に蒸発器中または多工程の蒸留塔中ならびに相分離器中で行なうことができるが、しかし、相分離と熱的分離との組合せによって行なうこともできる。エステル形成のためと同様の均一な触媒のエステル分解に使用される場合には、触媒の特殊な分離を省略することができる。この変法には、ヘテロポリ酸または硫酸が特に好適である。]
[0101] 例えば、本発明による方法の第1の特殊な実施態様において、アルカン酸(IV)としてイソ吉草酸が使用され、イソプロピルイソバレレートを含有する生成物混合物e2が得られ、その際に工程F)において、イソプロピルイソバレレートを含有する生成物混合物e2は、エステル分解反応器中で水と反応され、イソプロパノール、イソ吉草酸、イソプロピルイソバレレートおよび水を含有する生成物混合物fに変わり、工程G)において、生成物混合物fは、第1の蒸留塔(1)中で本質的にイソ吉草酸、イソプロピルイソバレレートおよび水からなる流れg1と本質的にイソプロパノールおよび水からなる流れg2とに分離される。流れg1は、第2の蒸留塔(2)中で本質的にイソ吉草酸からなる流れh1(これは、一般に塔底部の流出物の流れとして取得される)と本質的にイソプロピルイソバレレートおよび水からなる流れh2(これは、一般に頭頂部の流出物の流れとして取得される)とに分離される。流れh1は、エステル形成帯域中に返送されてよいし、アルカン/アルケン混合物の分離のために場合によっては存在する吸着工程中に返送されてよい。流れh2は、直接に加水分解反応器中に返送される。この変法は、図1中に図示されている。] 図1
[0102] 例えば、本発明による方法の第2の特殊な実施態様において、アルカン酸(IV)としてn−吉草酸が使用され、イソプロピルイソバレレートを含有する生成物混合物e2が得られ、その際に工程F)において、イソプロピルイソバレレートを含有する生成物混合物e2は、エステル分解反応器中で水と反応され、イソプロパノール、吉草酸、イソプロピルイソバレレートおよび水を含有する生成物混合物fに変わり、工程G)において、生成物混合物fは、第1の蒸留塔(1)中で本質的に吉草酸、イソプロピルイソバレレートおよび水からなる流れg1と本質的にイソプロパノールおよび水からなる流れg2とに分離される。流れg1は、第2の蒸留塔(2)中で本質的に吉草酸からなる流れh1(これは、一般に塔底部の流出物の流れとして取得される)と本質的にイソプロピルイソバレレートおよび水からなる流れh2(これは、一般に頭頂部の流出物の流れとして取得される)とに分離される。流れh1は、エステル形成帯域中に返送されてよいし、アルカン/アルケン混合物の分離のために場合によっては存在する吸着工程中に返送されてよい。流れh2は、直接に加水分解反応器中に返送される。]
[0103] 例えば、本発明による方法の第3の特殊な実施態様において、アルカン酸(IV)として酪酸が使用され、イソプロピルブチレートを含有する生成物混合物e2が得られ、その際に工程F)において、イソプロピルブチレートを含有する生成物混合物e2は、エステル分解反応器中で水と反応され、イソプロパノール、酪酸、イソプロピルブチレートおよび水を含有する生成物混合物fに変わり、工程G)において、生成物混合物fは、第1の蒸留塔(1)中で本質的に酪酸、イソプロピルブチレートおよび水からなる流れg1と本質的にイソプロパノールおよび水からなる流れg2とに分離される。流れg1は、第2の蒸留塔(2)中で本質的に酪酸からなる流れh1(これは、一般に塔底部の流出物の流れとして取得される)と本質的にイソプロピルブチレートおよび水からなる流れh2(これは、一般に頭頂部の流出物の流れとして取得される)とに分離される。流れh1は、エステル形成帯域中に返送されてよいし、アルカン/アルケン混合物の分離のために場合によっては存在する吸着工程中に返送されてよい。流れh2は、直接に加水分解反応器中に返送される。]
[0104] 流れg2中に含有されている水は、共沸蒸留によって連行剤、例えばベンゼン、シクロヘキサンまたはジイソプロピルエーテルを使用しながら共沸蒸留塔(3)、相分離器(5)および水分離塔(4)により分離されることができ、流れk1としてエステル分解反応器中に返送されることができる。エステル分解の際にジイソプロピルエーテルが副生成物として生じる場合には、連行剤として有利にジイソプロピルエーテルが使用される。共沸蒸留塔(3)の頭頂部の流出物の流れi1として、純粋なイソプロパノールを取得することができる。]
[0105] エステル形成工程D)において蟻酸および酢酸をカルボン酸として使用することに対して、3個以上のC原子を有する高級アルカン酸の本発明による使用、例えばイソ吉草酸の使用は、本質的な利点を提供する。即ち、アルキルエステル/イソプロパノール共沸混合物ならびにアルキルエステル/イソプロパノール/水共沸混合物は、全く形成されない。それによって、アルキルエステルは、簡単に"急激に"イソプロパノールと蒸留により分離されることができる。更に、エステル分解帯域からの生成物混合物f中に含有されている水の大部分は、アルキルエステルと一緒に第1の蒸留塔(1)および第2の蒸留塔(2)により分離されることができ、エステル分解帯域中に返送されることができる。それによって、後接続された共沸蒸留の水負荷量は、アルカノール/水混合物の分離のために明らかに減少される。]
[0106] エステル分解は、一般に1〜20バール、有利に2〜5バールの圧力および一般に50〜150℃、有利に80〜120℃の温度で実施される。この場合、有利には、触媒としての酸性のイオン交換体の存在下で作業される。水は、化学量論的不足量または過剰量で使用されてよく、一般に、水は、アルキルエステル(V)に対して化学量論的不足量で使用される。例えば、水は、イソプロピルイソバレレート1モル当たり0.5〜0.9モルの量で使用される。エステル分解反応は、渦動床反応器中で浮遊床運転形式で実施されてもよいし、固定床反応器中で実施されてもよい。]
[0107] エステル分解反応で得られた生成物混合物fは、例えばイソプロパノール5〜15質量%、イソ吉草酸(または吉草酸または酪酸)10〜40質量%、イソプロピルイソバレレート(またはイソプロピルバレレートまたはイソプロピルブチレート)45〜80質量%および水1〜10質量%を含有する。一般に第1の塔(1)の塔底部の流出物の流れとして取得される流れg1は、例えばイソ吉草酸(または吉草酸または酪酸)32質量%およびイソプロピルイソバレレート(またはイソプロピルバレレートまたはイソプロピルブチレート)64質量%ならびに水4質量%を含有する。一般に第1の塔(1)の頭頂部の流出物の流れとして取得される流れg2は、例えばイソプロパノール85質量%および水15質量%を含有する。一般に第2の塔(2)の塔底部の流出物の流れとして取得される流れh1は、イソ吉草酸(または吉草酸または酪酸)99質量%およびイソプロピルイソバレレート(またはイソプロピルバレレートまたはイソプロピルブチレート)1質量%を含有し、一般に第2の塔(2)の頭頂部の流出物の流れとして取得される流れh2は、例えばイソプロパノールイソバレレート(またはイソプロピルバレレートまたはイソプロピルブチレート)93質量%、イソ吉草酸(または吉草酸または酪酸)2質量%および水5質量%を含有する。]
[0108] 一般に第3の塔(3)の塔底部の流出物の流れとして取得される流れi1は、特にイソプロパノール少なくとも98質量%を含有する。一般に第3の塔(3)の頭頂部の流出物の流れとして取得される流れi2は、例えばイソプロパノール25質量%、水7質量%および連行剤、例えばシクロヘキサン68質量%を含有する。]
[0109] 相分離器(5)中で、流れi2は、連行剤、例えばシクロヘキサンの添加下に水相と有機相とに分離される。水相は、返送流として第4の塔(4)に供給され、特に水少なくとも60質量%、イソプロパノール40質量%までおよび微少量の連行剤を含有する。有機相は、返送流として第3の塔(3)に供給され、特にイソプロパノール20〜50質量%、水10質量%未満および連行剤50〜80質量%を含有する。第4の塔(4)の塔底部の流出物の流れk1は、特に98質量%を上廻る水を含有し、エステル分解帯域中に返送される。]
[0110] 第1の塔(1)は、一般に20〜40段の理論的トレイを有し、0.5〜2バールの圧力で運転される。第2の塔(2)は、一般に15〜35段の理論的トレイを有し、0.5〜1.5バールの圧力で運転される。第3の塔(3)は、一般に10〜30段の理論的トレイを有し、0.5〜4バールの圧力で運転される。第4の塔(4)は、一般に1〜15段の理論的トレイを有し、0.5〜2バールの圧力で運転される。]
[0111] しかし、エステル分解と蒸留は、少なくとも部分的に同時に同一の処理工程で実施されてもよく、この場合エステル分解によって形成された混合物は、少なくとも部分的に蒸留により分離され、アルカン酸(IV)は、場合によっては均一触媒と一緒に返送される。反応性蒸留塔には、前反応器が前接続されていてよい。]
[0112] この反応性蒸留は、均一的または不均一的に触媒により実施されてよい。反応性蒸留塔は、通常の取付け物、例えば規則充填体、不規則充填体およびトレイを含むことができる。不均一触媒は、触媒的取付け物の形で、例えば触媒規則充填体または触媒不規則充填体として、または触媒懸濁液の形で存在することができる。]
図面の簡単な説明

[0113] 商業的なシミュレーションプログラムのAspenPlusを用いて、プロパンから算出した、例示的にイソプロパノールを生産するための組み込まれた全ての方法を実施するための系統図。]
[0114] 本発明は、次の実施例によって詳説される。]
[0115] 実施例1
商業的なシミュレーションプログラムのAspenPlusを用いて、例示的にイソプロパノールを生産するための組み込まれた全ての方法をプロパンから算出した。前記方法は、本例で上記の記載と同様に工程(1)〜(5)を含む。前記工程は、所属する物質流を有する図1に図示されている。アルカン酸として、イソ吉草酸を使用する。個々の物質流の算出された組成は、第1表から確認することができる。シミュレーションによる計算は、蒸気−液体−相平衡および液体−液体−相平衡の測定を基礎とする熱力学的モデルに基づく。] 図1
[0116] 実施例2
実施例1に記載の方法をシミュレーションするが、しかし、イソ吉草酸の代わりに酪酸をアルカン酸(IV)として採用した。結果は、第2表中に記載されている。]
[0117] ]
[0118] ]
[0119] (1)、(2)、(3)、(4)、(5) 工程、 f生成物混合物、 g1イソプロピルエステルおよび水からなる流れ、 g2イソプロパノールおよび水からなる流れ、 h1アルカン酸(IV)からなる流れ、 h2 イソプロピルエステルおよび水からなる流れ、 i1共沸蒸留塔の塔底部の流出物の流れ、 k1 水からなる流れ]
权利要求:

請求項1
イソプロパノールおよび2−ブタノールからなる群から選択されたアルカノール(I)を、プロパンおよびn−ブタンからなる群から選択された相応するアルカン(II)から、次の工程:A)アルカン(II)を含有する使用ガス流aを準備し;B)アルカン(II)を含有する使用ガス流aを脱水素帯域中に供給し、アルカン(II)を脱水素に掛け、アルケン(III)に変え、この場合には、アルケン(III)、未反応のアルカン(II)、場合により高沸点物、水蒸気、水素および低沸点物を含有する生成物ガス流bが得られ;C)生成物ガス流bを少なくとも圧縮し、場合により生成物ガス流bを水相c1と、アルケン(III)、アルカン(II)および場合によっては高沸点物を含有する相c2と、水素および低沸点物を含有する気相c3とに分離し;D)生成物ガス流b、またはアルケン(III)およびアルカン(II)を含有する相c2を、エステル形成帯域中で3個以上のC原子を有するアルカン酸(IV)と反応させ、この場合には、アルカン酸(IV)の相応するアルキルエステル(V)および未反応のアルカン(II)を含有する生成物混合物dが得られ;E)生成物混合物dからアルカン(II)を含有するガス流e1を分離し、このガス流e1を場合により脱水素帯域中に返送し、アルキルエステル(V)を含有する生成物混合物e2を取得し;F)アルキルエステル(V)を含有する生成物混合物e2を、エステル分解帯域中で水と反応させ、アルカノール(I)およびアルカン酸(IV)を含有する生成物混合物fに変え;G)生成物混合物fから、アルカノール(I)とアルカン酸(IV)とを分離し、アルカン酸を場合によりエステル形成帯域中に返送することにより製造する方法。
請求項2
脱水素を工程B)で酸素の存在下で実施する、請求項1記載の方法。
請求項3
脱水素を水蒸気の存在下で実施する、請求項1記載の方法。
請求項4
工程F)を反応性蒸留塔中で実施する、請求項1記載の方法。
請求項5
工程F)を少なくとも部分的にエステル分解前反応器中および少なくとも部分的に反応性蒸留塔中で実施する、請求項1記載の方法。
請求項6
アルカン(II)としてプロパンを使用し、この場合工程E)において、イソプロピルエステルを含有する生成物混合物e2を得、工程F)において、イソプロピルエステルを含有する生成物混合物e2をエステル分解反応器中で水と反応させ、イソプロパノール、アルカン酸(IV)、イソプロピルエステルおよび水を含有する生成物混合物fに変え、工程G)において、生成物混合物fを第1の蒸留塔中で本質的にアルカン酸(IV)、イソプロピルエステルおよび水からなる流れg1と本質的にイソプロパノールおよび水からなる流れg2とに分離し、流れg1を第2の蒸留塔中で本質的にアルカン酸(IV)からなる流れh1と本質的にイソプロピルエステルおよび水からなる流れh2とに分離し、流れg2中に含有されている水を共沸蒸留によって連行剤を使用しながら共沸蒸留塔、相分離器および水分離塔により分離し、本質的に純粋なイソプロパノールを共沸蒸留塔の塔底部の流出物の流れi1として取得する、請求項1記載の方法。
請求項7
アルカン酸(IV)として酪酸、吉草酸またはイソ吉草酸を使用する、請求項1から6までのいずれか1項に記載の方法。
請求項8
アルカン酸(IV)としてイソ吉草酸を使用し、この場合イソプロピルイソバレレートを含有する生成物混合物e2が得られ、工程F)において、イソプロピルイソバレレートを含有する生成物混合物e2をエステル分解反応器中で水と反応させ、イソプロパノール、イソ吉草酸、イソプロピルイソバレレートおよび水を含有する生成物混合物fに変え、工程G)において、生成物混合物fを第1の蒸留塔中で本質的にイソ吉草酸、イソプロピルイソバレレートおよび水からなる流れg1と本質的にイソプロパノールおよび水からなる流れg2とに分離し、流れg1を第2の蒸留塔中で本質的にイソ吉草酸からなる流れh1と本質的にイソプロピルイソバレレートおよび水からなる流れh2とに分離し、流れg2中に含有されている水を共沸蒸留によって連行剤を使用しながら共沸蒸留塔、相分離器および水分離塔により分離し、本質的に純粋なイソプロパノールを共沸蒸留塔の塔底部の流出物の流れi1として取得する、請求項7記載の方法。
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WO2009074574A1|2009-06-18|
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引用文献:
公开号 | 申请日 | 公开日 | 申请人 | 专利标题
法律状态:
2012-03-06| A300| Withdrawal of application because of no request for examination|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20120306 |
优先权:
申请号 | 申请日 | 专利标题
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